上陸拒否事由非該当者についての覊束性
入管法9条1項の「しなければならない」との文言と
入管法施行規則6条の2第5項本文「交付するものとする」という文言は
上陸許可及び在留資格認定証明書の交付は要件を満たす場合は必ず許可
しなければならないという意味であり、許可しない裁量は無く、
覊束行為になるとする判例。
東京地判平21.10.16判タ1337.123
上陸拒否事由該当者についての裁量性
入管法5条1項各号いずれかに該当する場合は在留資格認定証明書を交付
しない事ができるので上陸拒否事由に該当する場合の処分は覊束行為ではない。
法務大臣が「特別の理由」(規則第4条の2一項二号)を認めて在留資格認定
証明書を交付するかどうかについては裁量があるとする判例。
平成25年(行ウ)第235号 在留資格認定証明書交付申請不交付処分取消等請
法務大臣の裁量の逸脱
一定程度の裁量が法務大臣に認められるとしても平等原則の要請から
上陸拒否事由該当者に対し不合理な区別取り扱いは許されず、裁量基準に
反してされた不交付処分は法務大臣等の裁量の逸脱濫用として違法とする判例
入管法判例分析26p(日本加除出版)
また、黙示の裁量基準であっても実務上確立しているものであれば、
それに反した処分は同じく裁量の逸脱濫用として違法とする判例
最高裁平成27年3月3日判決(民集69.2.143)
退去命令出国後の訴訟提起
上陸の為の条件に適合していないとされた外国人が退去命令を受け出国後の
処分取り消しの訴えは日本を出国した以上訴えの利益がないとされた判例
平成21(行ウ)123
再入国の自由
外国人の入国(再入国)の自由は各国家が自由にこれを定めるものと
しているため、外国人の入国を保障しないことは憲法違反にはあたらず、
外国人が外国へ一時旅行する自由も保障されるものではないとされた判例
平成1(行ツ)2 森川キャサリーン事件
在留証明書不交付の処分性
在留資格認定証明書の不交付は行政処分性がある為、取消訴訟が可能
例: 在留資格認定証明書交付申請不交付処分取消等請求控訴事件
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