当サイトでは関税削減の為のFTA/EPAの適用可否に関わる
原産地規則の解説を行っておりますが、
世界規模での経済連携協定が広がっている事から
アンチダンピング等特殊関税発動要請が増加すると考え
特殊関税、アンチダンピング発動要件の一つでもある
非特恵原産地規則についても解説していこうと思います。
アンチダンピング特殊関税に関わる原産地規則は
WTO 原産地規則協定(ARO)によって定められ、
各国の規定によって適用される事となっております。
日本の場合は関税法施行令第4条の2第4項によって
以下のように定められております。
完全に生産された物品
完全に生産された物品は、基本的にEPAやGSPと同様ですが、
関税法施行規則第1条の6の各号に掲げられています。
実質的な変更を加える加工又は製造
実質的な変更を加える加工又は製造は、物品の該当する関税分類番号の項
(HS4桁)が、すべての原料又は材料の該当する項(HS4桁)
と異なることとなる加工又は製造とされています。
ただし、輸送や保存のための操作、単なる切断、選別、包装、改装、
仕分け、ラベルの張り付け等は除かれます。
特恵関税適用の為の特恵原産地規則と
アンチダンピング特殊関税の為の非特恵原産地規則と
明確に分類は分けられておりますが
付加価値基準、関税分類変更基準等が一部準用されております。
非特恵原産地規則はWTO原産地規則協定によって定められますが
適用条件は各国によって異なります。
JETRO作成の非特恵の原産地証明書発給のための原産地規則にて
いくつかの国の非特恵原産地規則についての解説があります。
第一章 概要……………………….. 1
第二章 フィリピン……………… 2
第三章 インドネシア………….. 5
第四章 マレーシア………………11
第五章 シンガポール………….. 14
第六章 タイ……………………….. 19
第七章 ベトナム…………………. 22
第八章 中国…………………………26
第九章 韓国………………………… 30
第十章 台湾………………………….33
第十一章 米国……………………… 36
第十二章 EU ………………………. 40
該当国の非特恵原産地規則に調べる必要がある場合は非常に有益な資料です。
その他非特恵原産地規則に関わる根拠法令は以下のようになります。
■WTO協定税率の適用 関税法施行令第4条の2第4項
便益関税の適用 関税定率法基本通達5-1
(関税法施行令第4条の2第4項に基づき決定)
■不当廉売関税の適用 電解二酸化マンガンに対して課する不当廉売関税に関する政令
(関税法施行令第4条の2第4項に基づき決定)
■報復関税の適用 玉軸受等に対して課する報復関税に関する政令
(一般特恵原産地規則に基づき決定)
■原産地表示 関税法基本通達71-3-1
(関税法施行令第4条の2第4項に基づき決定)
■貿易統計 外国貿易等に関する統計基本通達7-2
(関税法施行令第4条の2第4項に基づき決定)