譲許表の読み方2の続きです。
譲許表の4欄目の区分Aについて解説します。
4欄目にアルファベットのAが記載されているHSコードの税率は
そのFTA/EPAの協定発効日に即時撤廃という意味になります。
従って3欄目の基準税率は基本的にブランクとなります。
これは一番シンプルなのでそのまま覚えてくださいね。
世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。
最終更新日 By 河副太智 Leave a Comment
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前回の譲許表の読み方の続きです。
譲許表を理解するのは非常に困難ですが
これを理解しないと正確な投資の予定が立てられませんので
是非がんばって理解してください。
譲許表は外務省のHPにPDF形式で記載されております。
今回は日マレーシアの例を見てみます。
上記のページに以下のリンクがあります。
譲許表は基本的に協定文の「附属書一」に該当します。
上記PDFを開くと基本的なルールの記述と以下のような表があります。
この表が譲許表となります。
一欄目はHSコードを表しております。
二欄目は品名
三欄目は協定締結後の基本税率
四欄目は三欄目の協定税率から引き下げ、撤廃方式
五欄目は四欄目の注訳(補足)
となります。
譲許表の四欄目の区分については以下のスライドがわかりやすいです。
正確に譲許表を読みこなすには上記の四欄目の内容を
確実に理解する必要があります。
次回の記事からこれらを説明していきます。
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FTA/EPA締約国から特恵関税の適用を受けて貨物を輸入する場合
その貨物のHSコードの関税率と特恵関税を適用した場合の関税率を
調べる必要があります。
通常の関税率とFTA/EPA特恵関税率は税関HPの実行関税率表で
確認する事ができます。
上記の実行関税率表で特恵関税がゼロになっていれば
特に問題はないのですが、
この税率がゼロでない場合はFTA/EPA締約のルールによって
段階的に下がっていくケースもあります。
年を追うごとに関税率が下がっていき長い年月を経て最終的に
関税がゼロになるパターンもあります。
こういった変動型の特恵税率の場合、将来の特恵税率は
上記の税関HPの実行関税率表では調べる事ができません。
将来どの国に投資するのか、どの国に製造所を設置するのかで悩む際
このような将来の特恵関税率を知る事は非常に重要です。
A国からの関税率は10年後5%に下がるのに対し
B国からの関税率は10年後2%に下がるというのであれば
それに応じた経営、投資戦略が必要になります。
そこで輸入しようとする貨物の特恵税率は今後どうったスケジュールで
下がっていくのかを知るには譲許表を確認する必要があります。
譲許表とは各協定の付属書一と呼ばれるもので
以下のような表になっております。
見た目は品目別分類規則の一覧に似ておりまして
相変わらずよくわからないというのが第一印象でしょう。
これを読み解くのはなかなか難しいのですが
日本の税関は親切にこれを非常にわかりやすいように譲許表を
国別、HS別、期間別にステージング表一覧にまとめてくれています。
以下はその一例です。
一番上の行のHS2008.97-229の品目の税率を見ると
2017/1/1の時点では特恵関税率7.4%が2017/4/1からは6.4%に下がり
2018/4/1以降はずっと5.3%になるという事がわかります。
これを譲許表で確認するとなると非常に難解である為
この一覧を作ってくれた職員には敬服します。
この作業をやれと上司に言われたと思うとゾッとします。
但しこのステージング表一覧で全て解決というわけではありません。
一万種類もあるHSコードのすべてのステージング表を100%完璧に
作成するのは不可能に近いので、やはり最終的には譲許表を読んで
確認する作業は必要です。
また、三国間貿易やグローバルサプライチェーンで
特恵関税を使う場合は日本を介さない事になるので
当然日本政府によって作られた上記のようなステージング表一覧は
使えなくなり、海外の譲許表を直接読むスキルも必要です。
次回は譲許表の読み方について詳しく紹介します。