タイで製造された綿織物に対し特恵関税適用の対象とする手順を
説明します。
以下の図をご覧ください。
緑の丸にあるのが完成品の綿織物です。
原料は青の丸にある中国からの綿糸です。
完成品のHSコードは5208となりますのでこちらの原産地規則を
確認して中国の原料を使用していても特恵関税適用の対象となる
かどうかを確認しましょう
以下が製品の綿織物HSコード5208に対する原産地規則です。
5208項から第5212項までの各項の産品への第5204項から第5207項
までの各項の材料からの変更
(織物がいずれかの締約国において浸染され、
又はなせんされる場合に限る。)
中国から調達した綿糸はHSコード5205なので上記の
5204項から5207項の間に含まれます。
※今回の場合は原産地規則を満たすために2つの条件が必要です。
まずは項の変更(HSコードの頭4桁が原料と製品で異なる事)
これは糸(5205)から織物(5208)に変更されているのでクリアです。
次にその下のかっこ書きが重要で、織物がいずれかの締約国にて
色付けされている事を要するという事です。
もう一度製造工程画像を見てみましょう
糸が中国から締約国であるタイに輸出され、タイにて製織され、
捺染が行われております。
つまりこれは締約国で色付けの作業が行われたという事ですので
無事にタイ原産品として認められ、
特恵関税の適用対象となります。
こういった条件を加工工程基準といいます。
原産地規則は一つだけではなくこのようなパターンのように
複数の条件をクリアする必要がある場合があります。
かっこ書きは見過ごしがちですので注意が必要ですね。