野菜や果物などの農産物を輸出する際、
相手国での関税率は頭の痛い問題かと思われます。
日本産は品質が良いのですが海外からみれば割高です。
そこで相手国での関税は少しでも安くしたいと考える事でしょう。
もし輸出先がFTA/EPA締約国であり、該当の野菜、果物の関税が
原産地証明書によって減免税の恩恵を受けられるのであれば
是非原産地証明書付きで輸出したいところです。
相手国での関税率とFTA/EPAの特恵関税率を事前に把握できれば
バイヤーとの交渉段階でも有利に話を持っていけるかもしれません。
基本的に野菜や果物は日本で収穫したものであれば
原産地規則上「完全生産品」となるでしょう。
しかし、原産地証明書取得の際は海外から輸入したものを
日本産と偽って原産地証明書の発行を行う事を防ぐために
完全生産品である事の証明書を要します。
完全生産品の証明書は以下のようになります。
この原産地証明書は丸々青果貿易株式会社という輸出者が
原産地証明書を発行する際に輸出者名義で作成するものです。
5年間の保存義務のある書類です。
また、丸々青果貿易株式会社という輸出者が農家から
購入した野菜、果物を輸出するという場合は添付資料で
その農家からも完全生産品であることの証明書を要します。
以下に例を掲載します。
この証明書は阿智農園から丸々青果貿易株式会社に対し
日本(長野)にて収穫した果物を販売しましたという証明書です。
単に輸出者が完全生産品だと主張するだけでは足りず
生産、収穫現場までさかのぼって原産性を証明する必要があります。
こちらの証明書も5年間の保存義務があります。
生産者からこういった書類をもらうのが難しいというケースも
あるかと思いますが、この書面によって継続的契約が結べるので
あればきっと協力してくれると思います。
農家の方はHSコードと言われても何が何だかわからないで
しょうから、書式は輸出者が作成し、農家の方に署名と印を
もらうだけという形が望ましいかと思います。