特恵原産地規則は一般特恵関税率(GSP)やFTA/EPAに基づく特恵関税率
の適用を受けるための原産地規則ですが、これとは別に非特恵原産地規則
(Non preferential rules of origin)という制度が存在します。
非特恵原産地規則は、WTO 協定税率、便益関税、アンチ・ダンピング税の適用、
原産地表示、輸入統計の作成を目的とした原産地規則である為、特恵関税の
確定以外の場面で原産地がどこかを確定しなくてはならない場合に使用されます。
非特恵原産地規則はWTOにおいて1995年より世界各国が共通のルールを制定
するよう働きかけがあるようですが現時点でも合意に至らず、国ごとに異なる
ルールとなっております。
日本の非特恵原産地規則施行規則第1条の7によって制定されております。
(実質的な変更を加える加工又は製造の指定)
第一条の七 令第四条の二第四項第二号(特例申告書の記載事項等)に
規定する財務省令で定める加工又は製造は、物品の該当する
関税定率法別表の項が当該物品のすべての原料又は材料
(当該物品を生産した国又は地域が原産地とされる物品を除く。)
の該当する同表の項と異なることとなる加工又は製造
(税関長が指定する加工又は製造を含む。)とする。
これはつまり製造国が第三国の原料を使用して製品を製造した場合は
HSコード4桁レベルでの変更があれば製造国の原産品としてみなされるという
意味になります。
海外の非特恵原産地規則を調べるのは非常に骨の折れる作業ですが
Jetroによる「非特恵の原産地証明書発給のための原産地規則」にて
主要輸出国の非特恵原産地規則が記載されておりますので紹介します。
■対象国
フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、
中国、韓国、台湾、アメリカ、EU