ロールダウンの意味について解説します。
以下の図をご覧ください。
※経済産業省セミナースライドより引用
わかりずらいと思いますがそれぞれ分解して解説していきます。
上記の図は日本で生産された貨物をFTA/EPA締約国に輸出し、
相手国で特恵関税の恩恵を受けようというパターンです。
上記スライドの左側の完成品の部分を見てみましょう
FOB価格は$1,200となっており、このうちの$500の部分が
非原産材料となっておりますので原産資格割合は58%となります。
今回は$300の部品①がなぜ非原産となるのかを説明します。
完成品の製造を行い、輸出するのはA社となり
その完成品の部品①($300)は日本国内のC社から調達した貨物となります。
この部品①は完成品から見れば一次製品となります。
そしてこの一次製品はサブパーツBという二次製品を第三国から輸入して製造されています。
つまりこのC社の一次製品の価格は$300となり
その内の$100($50+$50)が原産価格となり
$200が非原産価格となります。
付加価値基準で考えた場合、この一次製品の原産地割合は33%しかないので
この一次製品は完成品からみれば非原産の貨物と判断されます。
ロールダウンとはこのような場合に不利な規定となります。
この一次製品のうち$100分は日本国内で付加された価値なので
最終製品でこの$100分だけでも原産品として認められたいところなのですが
ロールダウンの規定が適用されるとこの場合は日本の付加価値の部分$100分も含め、
一次製品は全て非原産材料と判断される事になります。
次回はロールアップについて解説します。