欧州連合(EU)とウクライナ間でのFTA/EPA批准手続きが
7/11に完了し、2017年9月1日より全面発行するとの
発表がありました。
EUは貿易拡大等を通じてウクライナと対立する
ロシアをけん制する狙いもあるようです。
この協定の交渉は2014年6月から開始されており、
EU全体がこれに批准しておりましたが、
EU28カ国中オランダだけがこれに批准していない状態が続いており
16年4月に行われた協定批准の是非を問う国民投票では
反対派により批准は否決されておりました。
オランダではウクライナ政府の腐敗問題を懸念していた為
FTA/EPAの締結には批判的でした。
これに対応する為EUは16年12月の首脳会議にて
協定にウクライナの防衛義務を負わないとの付属文書を追加し、
オランダも6月に批准するといった経緯があります。
ウクライナに進出している日系企業にとっても
ウクライナで製造した貨物をEUに向けて三国間貿易を行っていれば
このFTA/EPA締結によってEU側での特恵関税の恩恵を
受けることができるでしょう。
2国間協定ではないこのようなマルチ協定では
参加国全ての意見がそろわない限りFTA/EPA締結は難しく
なります。
ましてやEUは28カ国もありますので、日欧EPAにおいても
交渉は非常に時間がかかる事でしょう。
まだまだ交渉しなければならない事も多いかと思いますが
今回のオランダとEUの件のように柔軟な対応ができることを
願います。