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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

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EPA検認時に他の法令違反等を指摘される事はあるのか

最終更新日2020年2月27日 By 河副太智 Leave a Comment

EPAを適用して輸出先国において関税削減を行った場合、後日相手国から
検認(原産性の事後調査)の要請が来る場合があります。

この際に原産性の確認のみならず他の法令(例えば関税評価、移転価格、
アンチダンピング関連等)に関しての違反を指摘されたり、
税関以外の官署がこの調査に乗じて原産性確認目的以外の事項に関し
説明を要求してくることは考えられるのか、貿易には様々な法令がからむ為、
EPAの検認を見据えてどこまで準備するべきなのかが問題になります。

本記事ではEPAの検認の調査範囲について解説させて頂きますので
本記事を読む事により、検認調査時の範囲を把握する事が可能となります。

目次

  • 日タイEPAの検認の範囲
  • 日EU・EPAの検認の範囲
  • TPPの検認の範囲
  • その他のEPA
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

日タイEPAの検認の範囲

日タイEPA協定文の第46条2項(秘密性)を確認すると以下のような規定があります。

2.輸人締約国の税関当局がこの章の規定に従って入手した情報は、

(a)この章の規定の実施のために、当該輸人締約国の税関当局のみが利用
することができる。

(b) 当該情報が外交上の経路又は要請を受ける締約国の関係法令に従って
要請され、かつ、提供される場合を除くほか、当該輸入締約国によって
裁判所又は裁判官の行ういかなる刑事手続においても使用されてはならない。

日タイEPAにおける検認においては原産地規則規定の実施の為に税関が
当該情報を利用する事のみが想定されており、外交上の要請の無い限り
他の目的に使用される事はないと考えられます。

日EU・EPAの検認の範囲

日EU・EPA協定文の第3.21条2項を確認すると以下のような規定があります。

2.
1の規定に従って要求される情報には、次に掲げる事項以外の事項を
含めてはならない。

(a)原産地に関する申告が第3.16条2(a)に規定する関税上の特恵待遇の
要求の根拠である場合には、 当該原産地に関する申告

(b)産品の統一システムの関税分類番号及び用いられた原産性の基準

(c)生産工程についての簡潔な記載

(d)原産性の基準が特定の生産工程に基づくものである場合には、
当該生産工程についての具体的な記載

(e)該当する場合には、生産工程において使用された原産材料及び
非原産材料についての記載

(f)原産性の基準が「完全に得られるものであること」である場合には、
該当する区分(収穫、採掘、漁ろう、生産された場所等)

(g)原産性の基準が価額方式に基づくものである場合には、
産品の価額及び生産において使用された全ての非原産材料又は価額の要件の
遵守を確保するために適当なときは生産において使用された原産材料の価額

(h)原産性の基準が重量に基づくものである場合には、
産品の重量及び産品に使用された関連する非原産材料又は重量の要件の遵守を
確保するために適当なときは産品に使用された原産材料の重量

(i)原産性の基準が関税分類の変更に基づくものである場合には、
全ての非原産材料の一覧表であって、当該非原産材料の統一システムの
関税分類番号(原産性の基準に基づく2桁番号、4桁番号又は6桁番号の様式に
よるもの)を含むもの

(j)第3.10条に規定する変更の禁止に関する規定の遵守に関連する情報

日EU・EPA協定文の第3.21条2項によって原産地規則にて規定される事項以外を
目的とした情報の収集は制限されております。

また、日EU・EPA協定文の第3.25条においては更に以下のように規定があります。

1
一方の締約国は、この章の規定に従って他方の締約国から自国に提供される
全ての
情報の秘密を自国の法令に従って保持するものとし、当該情報を開示
から保護する。

2
輸入締約国の当局がこの章の規定に従って入手した情報については、
この章の規定の実施のために、当該当局のみが使用することができる。

3
この章に別段の定めがある場合を除くほか、輸出締約国の税関当局又は輸入
締約国の
税関当局が第3.21条及び第3.22条の規定の適用により輸出者から入手
した
業務上の秘密の情報は、開示してはならない。

4
輸入締約国は、自国の税関当局がこの章の規定に従って入手した情報について
は、
裁判所又は裁判官の行う刑事手続において使用してはならない。
ただし、輸出締約国が自国の法令に基づき当該情報の使用の許可を与えた場合
は、
この限りでない。

日EU・EPAにおける検認においては原産地規則規定の実施の為に税関が
当該情報を利用する事のみが想定されており、外交上の要請の無い限り
他の目的に使用される事はないと考えられます。

TPPの検認の範囲

TPP協定文の第3.27条1項・注を確認すると以下のような規定があります。

注.この条の規定の適用上、この条の規定に従って収集される情報は、
この章の規定の効果的な実施を確保するために使用されなければならない。
締約国は、この条に定める手続を他の目的で情報を収集するために用いて
はならない。

TPPにおける検認においては原産地規則規定の実施の為に税関が
当該情報を利用する事のみが想定されており、本規定以外を目的とした
情報収集は禁止されている趣旨だと考えられます。

 

その他のEPA

上記に挙げたEPA以外の検認時確認範囲を知るには各EPA協定文の
「原産地規則」の章の最後の方にこのような規定がある事が一般的です。
※日ASEAN・EPAの場合は付属書4の第九規則というように別に規定されて
いる場合もございます。

どの協定文を見ても検認によって調査される対象と保護される対象は
明確に分類されているように見えます。

EPAを活用される際は、このように検認の対象を予め確認しておく事を
おすすめします。

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Filed Under: FTA/EPA, 検認、事後確認

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