EPAを適用して関税削減を行う際に必要な原産地証明の内容に誤りが
あるにもかかわらず特恵関税が適用され、後日税関の検認や事後調査
の対象になった場合はどうなるのか、実例を紹介します。
輸入者AはEPA締約国B国から冷凍のすり身を輸入する際に当該品目は
B国の完全生産品であるという内容の原産地証明を税関に提出し、特恵
関税の適用を受ける事になりました。
その後税関が外部から「輸入者Aが使用しているリン酸塩はB国での
調達は考えにくい」との情報を入手したため、輸入者Aに対し事後調査
を行う事を決定しました。
輸入者Aが提出した原料の一覧には「リン酸塩」が記載されていたため、
税関はB国に対し、「リン酸塩」の原産性に関する調査を要請。
調査の結果当該「リン酸塩」はB国原産ではない事が判明し、当該品目は
B国の完全生産品ではないとの判断に至り、輸入者Aは適切な修正を余儀な
くされることとなりました。
品目の詳細は不明ですが、魚のすり身であればHSコード1604が考えられ、
非原産材料として使用された「リン酸塩」のHSコードは2835に分類
されると考えた場合、申告当初から関税分類変更基準(CTC)を適用して
申告をしていれば特に問題なく特恵関税の適用ができていたのではないか
と考えます。
出典:GUIDE TO COUNTER ORIGIN IRREGULARITIES (EXCLUDING FRAUD)
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