EPA/FTAを適用して関税削減を行うにはHSコード、原産地規則、原産品申告書作成等
複雑な知識を幅広く要求されることになります。
これらを習得するのは非常に困難ではありますがそれによって得られる恩恵は非常に
大きなものになるため、輸出入者様はそのために日々努力されていると思います。
しかし、いくら努力しても海外の取引先が当該知識の習得をおろそかにしている場合、
安心してEPAを活用する事ができません。
例えば日本側が輸入者である場合は外国の輸出者の原産品申告書がいい加減に作成され
たものであった場合、検認等で事後に特恵関税率の適用を否認され、過去に削減された
関税が徴収され、過少申告加算税等のペナルティを受ける可能性があります。
また、日本側が輸出者である場合、海外の輸入者が輸出者に相談なく勝手に自己証明で
原産品申告書を作成して特恵関税率の適用を受けてしまい、後に検認等でペナルティを
受け、日本側の輸出者にクレームを言ってくる可能性もあります。
このように複雑なEPAの規定はいくら当事者の一方が熟知していたとしても、
もう一方が無知であった場合には大きな危険が伴います。
そこで海外側にEPAの制度を理解してもらうために英語で書かれたEPA/FTAの解説書を
取引先に読んでもらうよう働きかけることをお勧めします。
以下に英語で書かれたEPA制度の解説書を紹介します。
出典:日本税関OUTLINE OF RULES OF ORIGIN
テキスト中心に書かれた日本税関によるEPA解説です。11PのPDFに簡潔にまとめられています。
■Outline of Rules of Origin for EPA in Japan
出典:日本税関Outline of Rules of Origin for EPA in Japan
スライドで解説された日本税関による画像が豊富なEPA解説です。
様々な国のEPA解説を読みましたが日本税関の解説は世界一だと考えます。
■Handbook on rules of origin for preferential Certificates of Origin
出典:シンガポール税関Handbook on rules of origin for preferential Certificates of Origin
シンガポール税関によるEPA解説書です。図表が多く使用されており、
様々な事例を見ることができます。
■Comparative Study on Preferential Rules of Origin
出典:WCOComparative Study on Preferential Rules of Origin
WCOによる423PにわたるEPA長編解説書です。
レベルの高い内容ですので上級者向けの内容となります。
海外側の取引先のEPA/FTAに対する知識が乏しい場合はこのような資料を活用
する事をお勧めします。
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