HSコードの分類を税関に質問する場合に一般的に利用する制度としては
関税監査官に対する事前教示申請がありますが、こちらは書面で回答を得るものと
口頭で回答を得るものの両方があります。
書面での申請の場合、回答までに数日~数週間要する事になる反面
口頭での申請の場合、即日回答を得られる事が多く、煩わしい申請書類作成を
省ける為、多くの申請者が口頭による事前教示申請を希望します。
古いデータですがWCO(世界税関機構)が発行するHS CLASSIFICATION HANDBOOKに
日本の税関に申請された書面による事前教示申請と口頭による事前教示申請の統計
データが以下のように掲載されておりました。
1999年の書面による事前教示申請は4,095件、口頭申請は40,554件
2000年の書面による事前教示申請は4,285件、口頭申請は47,928件
2000年の書面による事前教示申請は4,605件、口頭申請は56,183件
これを見ると口頭による事前教示申請は書面による事前教示申請の約10倍もある
事がわかります。現在の申請件数はもっと増えていると思われますが、書面と
口頭の差も同じく大きく開きがあるものと考えます。
口頭での事前教示申請は比較的スムーズにすむ場合が多いので、一般的には
多少のリスクを負ってでもスピードを優先したいと考え、誰もが口頭での
申請を望むかと思いますが口頭での事前教示は拘束力が無いため、いざ本番で
HS分類に疑義が発生し、通関の遅れや不測の関税が発生する可能性もあります。
手間も時間もかかりますが基本的に私は書面による事前教示をお勧めします。
その為には輸出入貨物の概要が判明した段階で早めに事前教示申請を行う事が
必要不可欠です。