ロールアップの意味について解説します。
以下の図をご覧ください。
※経済産業省セミナースライドより引用
わかりづらいと思いますがそれぞれ分解して解説していきます。
上記の図は日本で生産された貨物をFTA/EPA締約国に輸出し、
相手国で特恵関税の恩恵を受けようというパターンです。
上記スライドの左側の完成品の部分を見てみましょう
FOB価格は$1,200となっており、このうちの①と②の合計$500の部分が
非原産材料となっており、③と④はの合計$400の部分が原産材料となっています。
そして③に関しては一部非原産材料が含まれているにも関わらず、
全て原産材料として扱われております。
そこで非原産材料を含む部品③がなぜ原産品となるのかを説明します。
完成品の製造を行い、輸出するのはA社となり
その完成品の部品③($300)は日本国内のB社から調達した貨物となります。
この部品③は完成品から見れば一次製品となります。
そしてこの一次製品はサブパーツYという二次製品を第三国から輸入して製造されています。
B社の一次製品の価格は$300となり
その内の$200($100+$50+$50)が原産価格となり
$100が非原産価格となります。
付加価値基準で考えた場合、この一次製品の原産地割合は66%となり、基準値の
40%を超えている為、この一次製品は完成品からみれば原産の貨物と判断されます。
つまり非原産貨物$100のサブパーツYも含めて原産品としてカウントできるという
救済的規定と考えて頂ければと思います。
前回解説したロールダウンとは逆の考え方になりますので
ご注意ください。