解説書
ワークシートと対比表のフォーム
原産性を判断するための基本的考え方と整えるべき保存書類の例示
にて紹介されているワークシートと対比表のフォームはそれぞれ
以下のリンクからダウンロードが可能です。
衣類(繊維製品)の原産地規則
原産地規則を理解する為にセミナー等に参加される方も多いかと思いますが、
実際、セミナー参加後すぐに関税削減対策ができるかというとかなり難しい
部分があるかと思います。
どうしてもセミナーという形式上、解説は多数の企業に対して同時に行うため、
内容としては原産地規則の大まかな共通部分の解説が中心となることが一般的です。
こういったセミナー参加者の扱う品目は「サバの缶詰の輸出」かもしれませんし、
「繊維製品の輸入」、「精密分析機器の輸出」というように扱う分野が多岐に
渡る為、参加者全員に有益な情報を一律に提供するというのは事実上不可能と
言わざるを得ません。
そこで必要となるのが品目特化型の解説です。
本記事ではいくつか存在する品目特化型セミナーの一つ「衣類(繊維製品)」を
主に取り扱う原産地規則の解説スライドを紹介させていただきます。
①プルオーバー、シーツ、ニットウェア等事例
東京税関業務部総括原産地調査官による原産地規則説明会資料(平成30年3月版)
経済連携協定(EPA)に係る原産地規則の概要 - 輸入繊維製品を中心に –
②シャツ、ワンピース、帽子、じゅうたん等事例
東京税関業務部総括原産地調査官による原産地規則説明会資料(平成29年6月版)
経済連携協定(EPA)に係る原産地規則の概要 - 輸入繊維製品を中心に -
①と基本部分は同じですが扱う事例が異なります。
③シャツ、ジャケット、ズボン、帽子等事例
東京税関業務部総括原産地調査官による原産地規則説明会資料(平成27年4月版)
経済連携協定(EPA)に係る原産地規則の概要 - 輸入繊維製品を中心に -
①②と基本部分は同じですが扱う事例が異なります。
④経済産業省による繊維製品に対するEPA適用の留意事項
原産品申告書が否認された事例
FTA/EPA特恵関税率の適用を受けるために原産性を証明する原産品
申告書(原産地証明書)を適切に作成したものの、
その後の製造工程の変更や生産場所の移転によって原産性を失い
当初作成の原産品申告書の整合性を失っているにも関わらず、
その事に気づかないまま長期に渡って当該原産品申告書を使用し続けた為
特恵関税適用が遡って取り消され、多額の追徴課税、加算税等を
支払わされるケースが相次いでいるようです。
経済産業省から以下のような留意事項が発せられておりますので
是非参考にして下さい。
世界の非特恵原産地規則
特恵原産地規則は一般特恵関税率(GSP)やFTA/EPAに基づく特恵関税率
の適用を受けるための原産地規則ですが、これとは別に非特恵原産地規則
(Non preferential rules of origin)という制度が存在します。
非特恵原産地規則は、WTO 協定税率、便益関税、アンチ・ダンピング税の適用、
原産地表示、輸入統計の作成を目的とした原産地規則である為、特恵関税の
確定以外の場面で原産地がどこかを確定しなくてはならない場合に使用されます。
非特恵原産地規則はWTOにおいて1995年より世界各国が共通のルールを制定
するよう働きかけがあるようですが現時点でも合意に至らず、国ごとに異なる
ルールとなっております。
日本の非特恵原産地規則施行規則第1条の7によって制定されております。
(実質的な変更を加える加工又は製造の指定)
第一条の七 令第四条の二第四項第二号(特例申告書の記載事項等)に
規定する財務省令で定める加工又は製造は、物品の該当する
関税定率法別表の項が当該物品のすべての原料又は材料
(当該物品を生産した国又は地域が原産地とされる物品を除く。)
の該当する同表の項と異なることとなる加工又は製造
(税関長が指定する加工又は製造を含む。)とする。
これはつまり製造国が第三国の原料を使用して製品を製造した場合は
HSコード4桁レベルでの変更があれば製造国の原産品としてみなされるという
意味になります。
海外の非特恵原産地規則を調べるのは非常に骨の折れる作業ですが
Jetroによる「非特恵の原産地証明書発給のための原産地規則」にて
主要輸出国の非特恵原産地規則が記載されておりますので紹介します。
■対象国
フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、
中国、韓国、台湾、アメリカ、EU