HSコードの分類を行う際に材質を基準に分類するのか用途で分類するのかが
曖昧になる場合があります。
本記事では米国税関がこの判断を誤り、後に訂正を行った事例を紹介します。
概要
米国税関は輸入者から「雨量計」の事前教示の依頼を受けた際、該当品目の材質に
着目し、材質に重要な特定があると判断。
ガラス製の雨量計をHSコード7020.00(ガラス製品)に分類し、プラスチック製の
雨量計をHSコード3924.90(プラスチック製品)に分類する事になりました。
後に米国税関は本分類は誤りであったと自主的に判断を撤回し、ガラス製、
プラスチック製両方の雨量計をHSコード9015.80(気象観測用の機器)に
分類の修正を行いました。
他国の判断事例
本事例では材質分類から用途分類に変更する事になりましたが、米国以外の国で雨量計
を分類する場合どのHSに分類されているのかを調べてみました。
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発行国 | ドイツ |
Reference | DE1351/12-1 |
発行日 | 2012-05-11 |
品名 | Rain gauge |
HSコード | 9015.80 |
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発行国 | ドイツ |
Reference | DE26898/16-1 |
発行日 | 2017-01-16 |
品名 | Rain gauge |
HSコード | 9015.80 |
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ドイツと米国では材質分類か用途分類かという点で意見相違が発生していました。
本事例のように材質分類でも用途分類でもHSコード選定ができる場合は通則3(a)
を検討し「もっとも特殊な限定」をしているのはどちらかを判断する事になります。
プラスチック製品やガラス製品での分類は対象品目の数が膨大になるのに対し、
「気象観測用の機器」という分類では対象品目が大きく絞り込まれるため
「もっとも特殊な限定」をしていると考えられます。
その為雨量計は気象観測用の機器(HSコード9015.80)に分類される事になります。