税関による事前教示制度というのは輸入申告前に税関からHS分類の
教示を得る事で事前に適用される関税率を確定する事ができる制度です。
関税法第七条3項 税関は、納税義務者その他の関係者から第一項の
申告について必要な輸入貨物に係る関税定率法別表(関税率表)の
適用上の所属、税率、課税標準等の教示を求められたときは、その
適切な教示に努めるものとする。
上記条文だけを見ると事前教示の対象は輸入品目だけに限られて、輸出
品目には事前教示の対象が及ばないように読める為、輸出事業者としては
輸出品目のHSコードを事前教示対象貨物としての照会ができるのかどうかが
問題になります。
結論から申し上げますと日本の税関に輸出品目のHSコード分類相談を行う
事は可能ですが、あくまでも輸出品目のHSコード分類を最終決定する税関は
当該品目を輸入する外国税関となります。
そのため、日本の税関では輸出品目に対しては口頭での相談には応じてくれま
すが、書面による事前教示という形でHSコード分類先を予め特定する事はでき
ません。
書面による法的拘束力が無いのであれば利用する意味は無いと考えるかもしれ
ませんが、参考意見として非常に重要な知見を得られるため、輸出先でのHSコ
ード分類で悩む場合は相談する事をお勧めします。
輸出品目の事前相談を申し込む場合は以下の情報を準備する必要があります。
(1) EPAでの関税削減を目的とした輸出品目か
(2) 原材料に日本非原産の材料を使用している場合は当該材料の詳細
(3) 非原産材料を使用していた場合、品目別原産地規則を確認
HSコードの分類に関する相談は受けてもらえますが、FTA/EPAを活用して
相手国側で関税削減が可能かどうかという点についての相談への対応は
限られた範囲内になると考えますので、相手国輸入者等を通じて相手国税関
に相談ができる体制も必要になります。
また、原産地ポータルによると自己申告制度について輸入者、輸出者共に相談
ができるEPA原産地センターの案内があります。
利用方法は以下の事項を記載して、以下のメールアドレスあてに送付します。
(1)ご連絡先(お名前・会社名、お電話番号等)
(2)相談したい内容
(3)相談希望日時(対面での相談をご希望の場合)
送付先メールアドレス:epa-roo-center2@customs.go.jp
輸出先でのEPA適用可否や原産品申告書作成、事後確認対策まで相談に
のってくれるようですので是非ご利用ください。
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