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関税削減.com【HSコード分類事例の解説】

世界のHSコード分類事例を用いた関税削減手法を紹介します。

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“ズーム機構”のHSコードは「カメラ」の部分品に分類されるか

最終更新日2020年8月12日 By 河副太智 Leave a Comment

デジタルカメラのズーム機構に使用されるアルミニウム製の”リング”の
HSコードが「デジタルカメラ」の部分品に分類されるかを考察します。

EPA非締約国から「デジタルカメラ」の部分品である”アルミ製リング”を
調達してEPA締約国内にて「デジタルカメラ」を完成させ、更に当該産品
をEPA締約国に輸出する際に、輸出先においてEPA関税削減の対象となる
「締約国の原産品」としてみなされるかどうかという点について当該
“アルミ製リング”のHSコードが「デジタルカメラ」の部分品になるかどう
かが問題になります。

目次

  • HSコード分類の際に検討する問題点
  • 税関によるHSコード判例
  • EPA関税削減の為の関税分類変更基準
        • 関税削減.comニュースレター登録フォーム

HSコード分類の際に検討する問題点

HSコード8525に分類される「デジタルカメラ」の場合、”アルミ製リング”
が当該「デジタルカメラ」の部分品と判断されれば、同じ類である85に分
類される可能性があります。

もし、対比表を作成するEPA担当者が当該”アルミ製リング”は製品である
「デジタルカメラ」に設置するように設計されたものであるという理由の
みで、深く考えずに「デジタルカメラ」の部分品として分類してしまうと
HSコードの項(2桁)が共通となってしまい、適用するEPAの品目別原産地規
則がCCの場合、輸出先国にて締約国産ではない判断され、関税削減の対象
にならない場合が考えられます。

HSコードの分類において部分品の分類は非常に複雑である為、本事例の
場合は当該”アルミ製リング”が「デジタルカメラ」の部分品であるHSコ
ード8529に分類されるのか、あるいは品目別原産地規則上より有利な
{アルミの製品}(HSコード7616)に分類される可能性は考えられないか等
更に深く検討してみる必要があります。

税関によるHSコード判例

このような”アルミ製リング”の品目分類は日本税関の事前教示に判断
事例があり、本判例ではHSコード8525「デジタルカメラ部分品」に
分類されました。(※判例とは裁判所の判決ではなく税関による判断事例を指す)

登録番号 110003584
税関 大阪
処理年月日 2010-08-05
一般的品名 デジタルカメラ部分品
税番 852990900

貨物概要
アルミニウム製の管用継手(ねじ込み式)材質:アルミニウム(97.93%)構造:1)中空アルミニウム合金製のリング状の物品で、デジタルカメラのズーム機構に使用されるもの 構 造:アルミニウム合金(JIS A5056)製の棒材に穴あけ、施削加工等を行ったリング状のもので、ねじ穴タップ加工が3か所、また内面に幅約4mmのズーム溝加工がある。 サイズ:直径40mm×高さ14mm×厚さ1.5mm 機 能:コンパクトデジタルカメラの鏡筒部でレンズが装着された部品を前後させ、ズーム機能をもたせる(カム機構)。レンズ及びズーム機構はカメラ本体に収納され、使用する際にレンズが突出するようになっている。 包 装:1pcずつネスト状に区分けされた段ボール箱に梱包される。

分類理由
本品は、コンパクトデジタルカメラに組込まれる物品で、ズームレンズ機能を構成する部分品である。 本品は、単独のズームレンズの部分として製作されるものではなく、デジタルカメラ本体機構と一体となって取付られるもので、レンズが装着された部分と連動してレンズを前後に稼動させるものである。 本品は、その形状、機能等から専らデジタルカメラの部分品として設計されたものと認められることから、関税率表第16部注2(b)、同表第85.25項、同表第85.29項及び同表解説第85.29項の規定により、デジタルカメラの部分品として上記のとおり分類する。

 

EPA関税削減の為の関税分類変更基準

関税分類変更基準においては非原産材料のHSコードと製品のHSコードは
できるだけ離れている方が原産地規則を満たしやすくなります。

本事例の場合、”アルミ製リング”が{アルミの製品}(HS7616)として認められ
れば締約国での加工によって76類から85類にHSコードの頭2桁が変更となり、
特恵関税率を適用するための関税分類変更基準を満たしやすいと考えますの
で、原産地規則の観点からは{アルミの製品}して判断された方が有利では
ありました。

今回”アルミ製リング”は「デジタルカメラ」の部分品としてHS8529に分類
される事になりましたので、適用するEPAの品目別原産地規則がCCの場合
、当該品目はEPA締約国に輸出する際に相手国側で締約国産ではないと
判断され、特恵関税率の適用ができない事が考えられます。
しかし、品目別原産地規則がCTH(HSコード4桁変更)であれば締約国産と
みなされる事が考えられますので、利用できるEPAが複数ある場合は有利な
品目別原産地規則が適用できる方を選ぶのが賢明です。

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Filed Under: HSコード, 部分品の原産地規則

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